このサイトが使っている16の関係は、性格の分類から派生したものではありません。人が情報をどう処理するか、という別の理論を土台にして、システムとして組み立てられています。だから、相性が構造として出せます。
出発点は、ポーランドの精神科医アントニ・ケンピンスキーが提唱した情報代謝という概念です。
身体が食物を取り込み、必要なものを使い、不要なものを出すように、心も外界から情報を取り込み、処理し、外へ出している。ケンピンスキーはそう考えました。呼吸や消化と同じ意味で、情報の代謝がある、という見方です。
ここが重要なところで、これは性格を分類するための理論ではありません。人を、情報を処理する系として見るための理論です。系として見ると、2つの系を接続したときに何が起きるかを、構造から考えられるようになります。
1970年代から80年代にかけて、リトアニアの研究者アウシュラ・アウグスティナヴィチュテが、この情報代謝の考え方を具体的なモデルに落とし込みました。
扱う情報を8種類の要素に分け、それぞれが心のどの位置に置かれるかを整理する。得意な位置、無理をする位置、人に任せたい位置、意識に上らない位置。8つの要素を8つの位置に配置すると、成立する組み合わせがちょうど16通りになります。これが16の型です。
ユングの類型論から借りている語彙はあります。ただし、動いている原理は情報代謝のほうで、性格の記述を目的にした理論とは系統が違います。
ここがこの理論のいちばんの特徴です。
それぞれの型は、8つの要素の配置として定義されています。だから二人分の配置を重ね合わせると、どこが噛み合ってどこが噛み合わないかが、自動的に決まります。片方の得意な位置が、相手の任せたい位置に当たるのか。二人とも同じ位置が苦手なのか。一方向にだけ流れるのか。
重ね方のパターンを数え上げると、これもちょうど16通りになります。16の関係は、観察から集めたリストではなく、モデルから出てくる帰結です。
4つの指標が何個一致するか、といった数え方とは仕組みが違います。指標の一致数を数える方法では、噛み合いの種類は出てきません。点数しか出ない。配置のモデルを持っていると、種類が出ます。だからこのサイトは点数を返さず、形を返しています。
モデルから導かれた関係が、実際の人間関係に当てはまるのか。この点については、成立当初から観察による確認が続けられてきました。
アウグスティナヴィチュテ自身の調査では、既婚カップルを型の組み合わせで分類したところ、双対にあたる組み合わせが45%を占めたと報告されています。16通りの関係が均等に現れるなら六パーセント程度になるはずのところです。
その後も、同じ枠組みでの調査や事例の蓄積が40年以上続いています。
使われ方は、個人の診断よりも組織の側に寄っています。チーム編成、人員配置、採用、人事監査。国際ソシオニクス研究所の関係者による導入例は、ロシア・ウクライナ・バルト三国の120を超える企業に及ぶとされています。極北の事業所のように、限られた人数で長期間ひとつの場所に留まる職場でも使われてきました。
学派はひとつではありません。国際ソシオニクス研究所の流れと、ヴィクトル・グレンコの人文ソシオニクスの流れが代表的で、機能の解釈や診断の手順に違いがあります。同じ用語でも学派によって指すものが少し違うことがあるので、資料を読むときは出どころを見るのが早道です。
一方で、この理論は旧ソ連圏の外ではあまり知られていません。英語圏で本格的に紹介されたのは1990年代半ばからで、日本語で読める資料はまだ限られています。
16の関係の定義と名称は、この体系のものをそのまま使っています。呼び方を独自に変えると、他の資料と照らし合わせられなくなるためです。
一方で、4文字タイプの読み方や、それぞれの関係の説明のしかたは、日本語で読みやすいように独自に組み直しています。4文字タイプの扱いについても別に書いてあります。
この理論体系(ソシオニクス)の日本語での解説、32タイプの診断、講座や資料は 日本ソシオニクス協会の公式サイト にあります。このサイトは協会の理論をもとに、二人の関係の部分だけを取り出して作られています。