9 / 16
Quasi-identity
同じ言葉で、別の景色を見ている。
Квазитождественные / 16の関係のひとつ
同じ分野にいて、同じ言葉を使います。ただ、その言葉で指しているものが少し違う。前提を確かめるだけで、驚くほど早く通じるようになります。
QUASI-IDENTITY
01 出会って最初
扱っている題材が同じです。使う語彙も重なります。だから最初は、話が通じる相手だと思います。同じ本を読み、同じ問題を考えている。
ところが会話を進めると、少しずつ噛み合わなくなります。同じ言葉で、違うことを指しているからです。相手の使い方が微妙にずれていると感じ、相手も同じことを感じています。
近いからこそ、ずれが目につきます。まったく違う分野の人となら、こういうことは起きません。
02 しばらく経って
丁寧に言い直しても、なかなか届きません。相手は理解したと言い、しかし返ってくる内容が想定と違う。もう一度説明すると、また少しずれる。
原因は、知識でも能力でもありません。同じ対象を、別の順序で組み立てているからです。結論だけ見ると近いのに、そこに至る道筋が最初から最後まで違う。
相手の仕事が要点を外して見えることもあります。ただそれは、こちらの順序で見ているからです。別の順序では、相手の組み立ては成立しています。
03 長く続けるなら
この関係でいちばん効くのは、前提を先に合わせることです。同じ用語を使っているという前提そのものが、じつは成り立っていない。何を指しているかを一度そろえるだけで、誤解の量が大きく減ります。
まったく別分野の人に説明するつもりで話すほうが、かえって通じます。共有されているはずだ、という省略が行き違いのもとになります。
近い場所にいる相手は、そう多くありません。前提さえ合えば、話せる範囲はかなり広い二人です。
似ている相手と噛み合わない関係は複数あります。ずれている場所が違います。
分かり合おうとするより、前提を疑うほうが早く進みます。
PRこの関係に、ひとつ
同じ言葉で別の景色を見る関係なので、景色を並べる道具を。
二人の関係そのものが物語の中心になっている作品から選んでいます。
同じ出来事を語っているのに、それぞれの筋道がまったく噛み合わない。同じ言葉で違うものを指すとどうなるかを、そのまま形にした短編。
登場人物のタイプを判定したものではありません。この関係の形がよく描かれている例として挙げています。
二人のあいだに起きていることが、そのまま主題になっている曲から選んでいます。
伝えようとするほど、届かない。言葉が同じでも指しているものがずれている状態の歌。
同じ語彙を持っているのに、そこに乗せたいものが乗らない。疑似同一の核心と同じ問題を扱っている。
歌詞の引用はしていません。曲が扱っている関係の形として挙げています。
例として INTJ と INTP を並べます。この関係になる組み合わせはどれも、同じ位置どうしが同じ形で結ばれます(要素の中身が変わるだけです)。
線は、同じ要素がもう一人のどの位置にあるかを結んでいます。1・2(強い)3(役割)4(脆弱)5・6(求める)7・8(できるが関心がない)
疑似同一は対称の関係なので、どちらから見ても同じ形になります。